私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~
お父様もお帰りになり、総勢6人で賑やかな晩ご飯になった。でも、剛史さんの口数が少なく感じ、私はそれが気になっていた。

剛史さんって、家では無口なのかなあ。

そう思ったりもしたのだけど、


「どうしたの、剛史? 具合でも悪いの?」


と、お母様が言ってたから、普段の剛史さんはそんな事はないらしい。となると、今夜の剛史さんはいったいどうしたんだろう。私、何かやらかしちゃったのかなあ……



「ご馳走さまでした」

「またいらしてね、裕美さん?」

「はい」


夜も更け、私達は岩崎家を後にする事になった。加奈子さん達もお帰りになるらしい。


「先輩、僕ら車なんで送って行きますよ?」

「あ? 電車で行くからいい」

「でも、その荷物を持ってじゃ大変では……」


大輔さんは床に置いた二つの大きなバッグに目を落とした。それらには、剛史さんの着替えやその他が詰め込まれているはずだ。


「そうよ。何遠慮してるの? 剛史らしくもない……」

「わかった。じゃあ頼む」


やっぱり今夜の剛史さん、変だわ。

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