死に際にトランクス
トランクス一枚でベッドに座りテレビを観るがふと、トランクスに穴が空いているのに気付き情けない気分になってしまう。
考えるとこのトランクスも三年は、着けているなあと思い今度給料が入ったら新しいのを買わないとな思うのだが、実際は給料が入ったら買わないだろうとほぼ確信してもいた。
俺はここ何年も競馬にはまっていて競馬に使うに決まっている。
工場での安い給料を三十代半ばになろうとしているのに貯金もせずに、競馬に使う。
自分自身でも、いけないと分かってはいてもやめらない…
しかし、暑い。
あまりの暑さに俺は水を浴びようと思い狭いシャワー室に入り冷たい水を浴びた。
出できて少しはスッキリしてるかと思ったが、ほとんど変わらずに暑い。
イライラしながら俺はバスタオルで髪をごしごし拭いた。
何かが、床に落ちたのが分かったが構わず髪を拭いて身体を拭き同じトランクスをはいてベッドに座る。