電車であった彼女
「この涙は…」


僕は同じ言葉を繰り返すのだけどなかなか次の言葉が出てこなかった。


神宮さんは神宮さんで僕が喋りだすのを待っているようで静かに待っていてくれる。



しばらく続く沈黙−


その沈黙の中で僕は神宮さんに好きだって伝えていいのか。
会って間もないのに伝えてもいいのか。
伝えたら今日みたいに会ったり喋ったりしてくれないんじゃないのか。


いろんな考えが渦を巻いていた。



でもその考えとは反対に今伝えないでいつ伝えるんだって。

このままだといつもと変わらないだろう?ってそんな関川がいつも言ってる言葉が出てくる。


僕はその言葉に勇気がもらえたような気がしたんだ。


いつまでもくよくよ考えてないで伝えろよ!


そう自分に言い聞かせると肩の力が軽くなった気がした。



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