閉ざされた部屋、恋文ひとつ。
Prologue
わたしの名前は
幹浦 咲乃(みきうら さきの)
19歳。
職業、隔離病棟患者。11年目。
小学校二年生の春。
自分の身体を傷つけることを覚えた。
その二週間後、家にある薬という薬を
全て飲み漁って意識不明になり
一般病棟に搬送される。
それから二ヶ月後。
隔離病棟に初めて入ってから
今まで、外に出たことはない。
嫌だった。
家族も、友達も
みんな偽善者だったから。
何故、生きたくもないのに
隔離病棟に入れられてまで
生きないといけないんだろう。