サイコーに不機嫌なお姫様。



「いつまでも膨れないでよ! 翔汰はただの従兄じゃん!」


「ハイハイ。ただの従兄ね」



共有の秘密をもってるくせに……ただの従兄かよ?



「従兄にまで妬かれても、さすがに私もめんどくさいんだけど?」



うわ……さすがに今の言葉にはキレましたよ。俺。



「めんどくさいならほっとけよ! 追いかけてくんな! 俺は一人になりたいんだよ!!」


「………あっそ。勝手にしろ!!」



なおは立ち上がって早歩きで公園のほうに去っていった。



「……チッ。マジで」



イライラする一一!!こんな時ってどうすればいいんだろ?



聞かないでほっとくべき?でも俺の性格上無理なんだよ。



好きだから気になるんだよ……



なおは俺の性格を知ってるから、翔汰をコテージに帰して夜の約束もきっとキャンセルして俺を追いかけてきてくれたんだ。



だけど一番肝心なことに気付いてない。



一番はお前の涙だよ。



知りたいけど聞けないもどかしさから……なおにきついこと言ってしまった。



あえて追いかけもしなかった。



少し一人になりたかったんだよ。






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