サイコーに不機嫌なお姫様。
「指図するな」
そう言って、リビングに行っちゃった。
あーあ……魔法がとけたら女王様に早変わり。
でも、そんななおも好き。
皮膚科に行って処方された薬をもらう。
「帰りに手袋も買う?」
「いいよ。慶一郎にもらった」
慶一郎……そういえばあいつのこと忘れてた。
「あんたさ、慶一郎と会話して気付かなかった?」
笑いながら言うなお。何を気付くんだよ?
「馴れ馴れしい奴」
「違うよ! あいつ男が好きなんだよ。カミングアウトしてて。私、堂々としてる奴、好きだから友達なんだよね」
え―一一一!!!?
「あいつ……そうなのぉ?」
「だから、やきもちを妬く相手が違うんだよっ」
肩を震わせて大爆笑するなお。な、何だよ。俺一人、バカみてぇ。
「あとさ……なんで俺のこと下の名前で呼ばないわけ?」
「あー……私はなお。あんたは直哉。『なお』がかぶるから嫌なんだよね」
…………………………。
「そんな理由!?」
「悪い?」