サイコーに不機嫌なお姫様。



「ごめん……なお」



そう言ってハンカチでなおの涙を拭く翔汰。



だーかーら!!
くっつくな一一一一!!



「なお! いいからこっち来いって!!」



無理やり腕を掴んで一階のベランダに出る。



「何で泣いてんだよ?」


「……本当にたいしたことない事なの」



は?言えないわけ?



「あいつ……翔汰と関係あること?」



なおはハンカチで涙を拭いて空をあおぐ。



「……翔汰との思い出。かなり切なくて話すのもきついから聞かないで」



なおの言葉に目の前が真っ暗になる。



翔汰はなおの好きだった相手?



もしかしてなおの初恋の相手?



翔汰は笑って話せる思い出でもなおは泣いていて……


まだひきずってるのか?



さっきまでのハイテンションが……



確実に落ちていく俺。






< 99 / 202 >

この作品をシェア

pagetop