サイコーに不機嫌なお姫様。
「ごめん……なお」
そう言ってハンカチでなおの涙を拭く翔汰。
だーかーら!!
くっつくな一一一一!!
「なお! いいからこっち来いって!!」
無理やり腕を掴んで一階のベランダに出る。
「何で泣いてんだよ?」
「……本当にたいしたことない事なの」
は?言えないわけ?
「あいつ……翔汰と関係あること?」
なおはハンカチで涙を拭いて空をあおぐ。
「……翔汰との思い出。かなり切なくて話すのもきついから聞かないで」
なおの言葉に目の前が真っ暗になる。
翔汰はなおの好きだった相手?
もしかしてなおの初恋の相手?
翔汰は笑って話せる思い出でもなおは泣いていて……
まだひきずってるのか?
さっきまでのハイテンションが……
確実に落ちていく俺。