私の旦那様は特殊捜査官
女子しか入れない空間。

私はまっすぐに電話ボックスに向かう。

そして迷うことなく、秀の携帯の番号を押していた。


「・・・もしもし」

「…琴美、なのか?」


「・・・うん、心配かけてゴメンね」

「今どこにいる?アイツと一緒じゃないのか?」


「今は中心街にあるデパートの中なの。

博人は、少し離れたところにいるから、電話できたの」


「今すぐ行くから」

「…今からデパートの隣にある携帯ショップに入るから、

秀…私の事、迎えに来て」


今にも泣き出してしまいそうな気持になったが、

涙をグッと堪えて、明るい口調で言った。


「…必ず行くから」

「…うん、待ってる」


そこでタイミングよく、通話が途切れた。

私は気を取り直して、博人の元へと向かう。


「お待たせして、ごめんなさい」

上辺だけの謝罪をする。

「いいえ、いいんですよ。じゃあ行きましょうか」

少しでも長く、ショップにいる為に、私が出来る事は?
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