私の旦那様は特殊捜査官
「どの色がいいですか?」

博人に問いかけられ、困った顔をする。


「どれにしようかな・・・

どれも可愛くて、悩んじゃう・・・」

そんな事、これっぽっちも思っていないのに、

迷ったふりをする。


博人はそんな私を見て微笑む。

「時間はたっぷりありますから、ゆっくり選んでください。

機種は、この機種にしてくださいね。

僕とお揃いです」


「・・・ええ」

5分、10分・・・15分。

これ以上は悩んでいられない。

帰って怪しまれる。

今から手続きをしていれば結構時間がかかるから、

もう悩むのはやめにしよう。


「…博人さんと同じ色でいいです」

「黒ですけど、いいんですか?」

「ええ…博人さんと、お揃いでしょ?」

私の言葉に博人は嬉しそうな顔をした。

…私の演技はまだ見破られていない。

・・・秀、早くここに来て…私を助けて。
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