私の旦那様は特殊捜査官
【秀side】

「先生どういう事なんですか?!」

今起きてる状況に、ただただ驚き、先生を攻め立てた。

先生が悪いわけじゃない。そんな事は分かってる。

でも、これをすべて受け止めるには、まだ少し時間がかかりそうだった。


「落ち着いてください、大河内さん。

明日にでも、色々検査はしてみますが、一過性の物だと思います」

「…一過性ですか?」

オレの言葉に、先生は優しく微笑む。


「琴美さんは、ずっと緊迫した状態の場所で過ごしてきたんです。

貴方や、お子さんに会いたくてたまらなかったでしょうね。

ましてや、そんな中で、貴方との子供を身ごもっている事が分かり、

嬉しさと不安が入り混じった複雑な心境でした。

すぐに、記憶を取り戻すかもしれない・・・いや、もしかすると

戻らないかもしれない・・・もし後者なら、大河内さん、

貴方ならどうしますか?別れますか?」


「そんな事!!…そんなことするわけないじゃないですか。

琴美はオレの事はまだ覚えています、。自分が産んだ子供の事を思いださなくても、

琴美なら、きっときっと・・・大事にしてくれると思うんです。

お腹の赤ちゃんだって、愛されて生まれてくる・・・

オレは琴美を全力で守り、支えていきます」

真剣に今の気持ちを打ち明けた。

その話を聞いた先生は、穏やかな表情で、頷いた。
< 86 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop