好きだなんて言わなければよかった【完】

「あの…明美さんは、私に用があったんですよね??…この前のこと…ですか?」



「……」




黙り込んだ明美さんからの突き刺さるような視線が怖くて、目を反らしたかった。





けど、




なぜだか、反らしてしまったら、負けてしまうような気がして…




そのまま、真っ直ぐ明美さんに視線を投げ掛け続けた。




すると、





「…へー、なんか、想像と違ったかな?この前は、守られてなきゃ何にもできない子かと思ったけど…」






ポツリとそう呟いた明美さんは、にこりと、笑みを浮かべ、




「そんな心配そうな顔しなくても、別に紗綾ちゃんと真生を奪い合おうってわけじゃないから、安心して」




楽しそうにそう言い放った。