エクスタシー 2 〜極貧のオンナ?〜
画廊を飛び出した所で足が止まった。

正面に黒いベンツが停まっている。

運転席から長身の男が降りて来た。

萩野に負けないぐらい商品価値のありそうな長髪の男……。

微かな笑みを口許にたたえ、助手席のドアを開けている。

「理沙?」

サイドシートから降りてきたのはこの『絵』には不釣合いな妹だった。

「悠斗……」

あたしの後ろで可奈子が呟いた。

―――そう言えばあの男、プリクラの……。

可奈子の惚れてる男が理沙をエスコートしている。


不可解なトライアングルがあたしの頭の中をグルグル回っていた。




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