【完】最強の男に寵愛された姫
「とてもいい人達だった。また、頑張らなくちゃいけないんだって思ってた私は馬鹿だったんだ。『無理に頑張らなくていいなのよ?』そう言って抱き締めてくれるお母さん『何泣いてる?』『大事な一人娘の心配をするのは当たり前だ。』そう言って涙を拭って頭を撫でてくれるお父さん『僕と遊ぼう?』初めて出会った時から優しくしてくれたお兄ちゃん」





「…」





羨ましそうな目を私に向ける彼





「私ね…思うんだ。私はあの家族に出会うために生まれてきたんだって…だからあんたも探しなよ。誰に出会うために生きてきたのか。あんたは一人じゃない。誰かが傍にいてくれる。後ろばっか振り向かないで、前見なよ。そしたら何か変わるから。」





彼の目から涙が溢れた。





私は静かに彼を抱き締めた。





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