【完】最強の男に寵愛された姫
それから数十分後陽翔さんは帰ってきた。





それもとても悲しそうな顔をしている。





「陽翔さん、おかえりなさい」





私の言葉を聞くと嬉しそうに笑った。





「ただいま、姫華」





陽翔さんは滅多に私の名前を呼ばない。





たまたまなんかじゃない。





意図的に呼ばないようにしてるんだ。





「陽翔さんはやっぱりあの女の人が好きなんですね。忘れられないんですね。でも、勇気がない。会いに行く勇気がない。だから、私を代わりに傍に置くんでしょ?私をあの人だと思っている・・そうじゃないんですか?」





私の言葉に目を見開かせたが、やがてフッと笑った。





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