【完】最強の男に寵愛された姫
公園を出て暫くしてからさっきのことが頭を過る。





「別に、玲くんが怖いわけじゃないの。」





「・・・さっきのことか?」





心配そうに私の顔を覗き込みながら聞いてくれる玲くんは金髪の玲くんだろうが、黒髪の玲くんだろうが優しい人なんだと思った。





「うん・・・」





「わりぃ・・・でも、もうちょっと我慢しろよ。」





そう言って背中を一定のリズムでトントンと叩いてくれる。





私の震えもそのおかげか、なんなのか分からないけどおさまった。





首に巻き付けている腕に力を込めた。





「フッ…」





鼻で笑う玲くんのことなんて気にもとめず、私は家につくまでずっと玲くんにしがみついていた。










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