男子校の秘密【BL】
「行かなきゃいいじゃん。それとも俺だけで行ってもいいんだぞ?」

琉賀は俺と並んで歩きながら、もっともなことを言う。

「……ああ。けどあいつ、俺にとって、なんつーか友達に近い存在だし。一応俺宛の手紙だったし。俺が行かなくてお前だけに行かせるなんて、なんか逃げるみたいで……」

複雑な表情を浮かべる俺を、琉賀は黙って見つめる。

「……」

「幹仁、着いたぞ」

琉賀の微かに緊張を帯びた声に、はっと顔を上げる。

そこには、暗い部室がそびえていた。

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