涙のみちしるべ

2 あたし自身




  3 あたし自身

璃空とケンカしてから1ヵ月が経とうとしていた。

あのケンカ以来璃空とあたしは1度も口を聞いていない。

瑠璃はあたしと璃空を仲直りさせようと必死だった。

「2人共、くだらないよ。早く仲直りすればいいのに。」

ホントは仲直りしたい。

でも、仲直りをしたって璃空とずっと一緒にいられる訳ではない。

仲直りしてから、もし璃空と瑠璃が付き合うことになったら。

なんてことを毎日のように考えてる。

それに最近璃空と瑠璃で話していたり、一緒にいる時間が長いような気がする。

その光景を真横で見ているのは辛い。

泣きたくなるけど、涙は見せたくない。

必死でこらえた。

もしかしたら、この2人は、、、なんて思ったり。

変な不安が襲う一方。

不安に押しつぶされそうになった時1枚の紙切れが回ってきた。

イヤな予感がした、あたしは恐る恐る中を見た。

仲直りしなよ!

瑠璃のかわいい丸文字でそう書かれていた。

する気ない。

瑠璃にまでウソついちゃった。

ごめんね、瑠璃。

でも、前のアタックするあたしからは、もう卒業したの。

だから自分の感情を引っ込める。

誰にも頼らないで、自分1人で解決したいから。

ありがと。優しくしてくれて。

でも、そろそろ仲直りしなよ。

その丸文字が優しく、どこか切なげに見えた。

そこまで璃空とあたしに仲直りさせたいんだ。

1枚の紙切れから、瑠璃の璃空とあたしに対する想いが伝わってきた。

こんなに優しい親友を裏切るなんて、絶対したくない。

明日璃空に謝ろっ。

決意したその時、璃空が

「瑠璃、あとで屋上に来い。話がある。」

「わかった。」

璃空は瑠璃に告白するんだろうな。

そう思うと全身から力が抜けた。
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