学校一のモテ男といきなり同居
メールも何件か届いていた。



一通は、郁実から。



『おはよう。今からオーディションに行ってくる。ずっとついてようかと思ったけど、おばさんも帰って来たし、任せて行くことにした。今日、頑張ってくるから!』



……ムカ。



なによ。



あたしを一番に考えるって言ったくせに……。



やっぱりすぐ忘れちゃうんだ。



あたしはフテくされながら、唇を尖らせる。



郁実の応援なんて、しないから。



そんなこと思っちゃいけないのに、こうでも思わないとやってられない。



『ウソつき。郁実なんて、いっぱい失敗すればいーんだ、バカ』



こんなメール、送っちゃいけないってわかってるのに……



腹立たしくて、送ってしまった。











あたしの側にずっといるって言ったよね、優先するって言ってくれたよね!?



やっぱり、郁実はあたしのことなんて、どうでもいいんだ……。



昨日ストーカーに襲われて、あんなことになったのに……



言葉も交わさずに、オーディションに行っちゃうようなヤツ、



知らないよ……。



< 483 / 978 >

この作品をシェア

pagetop