学校一のモテ男といきなり同居
部屋の隅へと歩く音が聞こえたかと思うと、




カチッと電気のスイッチを入れる音がした。




視界が一気に明るくなり、




部屋の片隅に立っていたのは……




紛れもなく、




郁実だった。












「えっ………誰なの!?」




それでも、まだ信じられないあたしがいる。




だってこんなこところに郁実がいるはずがない。




さっき電話で話したけど、日本にいないって……。




驚くあたしを前にして、その人物は苦笑している。




「誰ってー……お前の彼氏?」




さっきの会話を思いだして、




やっぱりこれが郁実だと確信した。




「ホントに、郁実なの?日本に帰って来てるなら、そう言ってよ!あたし……あたし……」




さっきまでの恐怖と、郁実に会えた安堵感と、




こっちにいることを黙っていたことに対する怒りとか、




色んなモノがぐちゃぐちゃになって混乱してくる。











「とりあえず、抱きしめていー?」



あたしの側まで歩いて来た郁実が、やんわりと笑って腕を伸ばしてくる。



「ばかぁ……どうして……今頃来るのよぉ……。すぐ近くにいるなら、言って欲しかった。怖かったのにっ、郁実のばかっ!!」



「だ~ってな?何かと、言えねー事情があったんだよ」




「だからって……」




「とりあえず……ただいま。やっぱ、ここが俺の居場所だな……」




あたしの体をすっぽりと包みこむ、懐かしい場所。




離れて1年経つけれど、




その温かさも、優しい声も、



間違いなく、確かに郁実のモノだった……。




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