学校一のモテ男といきなり同居
「もー、イヤっ。言ってくれるわ~。もう、いいよ。あんな男……とっくに、諦めてるんだから。




「今はこっちで知り合いの紹介でマンションを借りて住んでるって」




「って、ひとりでってこと?真央が助かったのはよかったと思うけど、郁実…大丈夫なのかな」




「え…」




「郁実のおじさんって、郁実を一緒に連れて行きたがってたし…もしかして、勘当されたのかも」




「う…ウソ……どうしよう」




そういえば、学園長があたしに郁実の退学を迫ったときも、そんな話をしてた。




そこの部分がホントだとしたら、勘当されてひとりで住んでるってことなの?




郁実のことだから、あたしに心配をかけることは敢えて言わないはず。




だから、さっきも話を濁してたのかな。














「勘当されてたら……真央のせいだから」




「うん……ホントにそうだね。あたしのせいで…」




「そうだよ!だから、郁実を…お願い。責任とって、アイツを幸せにしてよね」



「…えっ」



「一番近いところで郁実を支えられるのは、残念だけどあたしじゃなかった。

それは、真央だけだよ。頑張って」



「白雪ちゃん…」  



「じゃあ、切るね」



「白雪ちゃんっ、ありがとう。今回のことで迷惑かけたよね。ミキオくんにも、ありがとうって言っておいて」



「バカ。迷惑とかそんなの思わないで。友達が困ってるときに力になるのは、当たり前のことでしょ。もう、ホントに切るから」



白雪ちゃん…ありがとう。



怖いこともたくさん経験したけど、



あたし、ホントにいい友達を持ったな…。


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