学校一のモテ男といきなり同居
学校一のモテ男から…
そして時は過ぎ…




丸3年が経った。





あたしの、大好きな彼は……。




「キャーッ、さっき郁実と目が合った!見た!?絶対に、あたしだよね」




「えーっ、あたしだよ。郁実が笑いかけてくれた。もう今日眠れないーっ!!」




学校一のモテ男から、芸能界一のモテ男になりつつある。













今日は、郁実の出る野外イベントの日。



映画の役柄だけど、世界をまたにかけるアーティストの役をやることになったの。



その宣伝を兼ねて、夏の音楽フェスティバルに出演したってわけ。




期間限定だけど、郁実の希望もあって高校時代の仲間とバンドを復活。




公開前でCDデビューさえしていないのに、中高生を中心に問い合わせが殺到。




とりあえず、郁実の本当の夢に、日々近づいていっているんだ……。












事前にチケットをもらっていたあたしは、最前列で郁実の活躍を見届ける。




舞台からの去り際に、アイコンタクトを送ってきた郁実。




だけど、隣に立っていた女の子たちがキャーキャー騒いでいる。




こういうとき、なんだか申し訳ない気分になる。




以前のあたしなら、妬いてたかな。




でも、今はもう…平気。




だって、星の数ほどいる郁実のファンに、いちいち妬いてられない。




それに、ファンの子たちがどれだけ郁実のことが好きでも…




郁実が好きなのは、




あたしだけなんだもん……。




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