学校一のモテ男といきなり同居
戸惑っていると、社長の凄む声が聞こえてきた。



「まさか…あんな男を庇うのか?」



「庇うというか…あの……」




「代われと言ってるんだ」




抑揚のない、落ち着いた声であたしは完全にビビってしまった。




「わかりました……ねぇ、電話に出て欲しいって……」




今の間にトイレに行って戻ってきた郁実にケータイを突きだすと、キョトンとしている。




「え?誰だよ。」




まさか社長からだと思わない郁実は、不思議そうにケータイを耳にする。




社長って言いそびれちゃったけど…大丈夫かな。




郁実は、あたしを見て怪訝な顔つきになる。




そして、不服そうに黙ってしまった。




郁実は、全く反論していない。




何か文句を言いたそうだけど、じっと堪えているといった風。




社長は一体、郁実に何を話しているの?














会話が気になって仕方がないけど、数分したところで郁実がケータイをあたしに返してきた。




「話は終わった」




ただ、それだけ。




「何て言ってた?」




恐る恐る聞いてみる。




「……別に、なんも」




「えっ?そんなはず、ないよ。社長…怒ってたよね」




「そうでもないかな……あ~、疲れたな。今日は早めに寝るかな……」




さっきまでエッチモードだった郁実だけど、社長との電話を切ったあと手のひらを返したように、急に大人しくなった。




……どういうこと?




「ピザ、食べなきゃ」




「そうだよな…なんか、食欲なくなった。真央、適当に食って冷蔵庫に入れといて」




「急にどうしたの?やっぱり、何か言われたんだ!?」




郁実の腕を引っ張って、問い詰める。




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