チョコよりも甘く
「葵…」



翔は目をうるわせながら、そっと微笑んだ。




あたしがすきな翔の顔だった。
本当は、純粋ですごく優しい翔…


ただ少しヤキモチ焼きで、頼りないところもあるけど。






あたしはそんな翔がすきなんだよ…








「俺、まだ結婚とか出来ないけど…高校卒業したら、葵とその子を養うために働く。だから…」
「葵ちゃん、いいの?」



翔の言葉を遮り、お母さんが口元を押さえながら言った。
目に涙を浮かべていた。




あたしはコクリと頷き、翔をチラ見した。
すると翔は軽く微笑み、再び口を開いた。






「今日、葵の両親にも話してくる、」




翔の言葉に対し、お父さんは難しそうな顔をした。
その容姿じゃ無理だということだろう。





翔は金髪にピアスを開け、制服も派手…
間違いなくあたしのお父さんは断る。



せめて黒髪じゃないと…






「わかった。ちゃんと直すから、」


お父さんの反応で気付き、翔は髪を触りながら言った。




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