チョコよりも甘く
「…そっか、、」





「兄貴は俺より頭良かったし、後継ぎとしてみんなに期待されてた。もちろん俺だって好きだったよ。」                             





龍斗は淡々と話し始めた。





「でも、兄貴は弱かった!!プレッシャーに耐えられなくなって、逃げ出したんだよ。俺が中2の時、急にいなくなって…見つかったときにはもう…死んでたんだ」






急に胸が痛んだ。


龍斗がこんな辛い思いをしてたなんて知らなかったよ…







「…ってこんな話しちゃってごめんな、」

「ううん。あたしこそごめんなさいっ」

「……」
「……」






龍斗が「終わったよ」って言うまでの間、沈黙が続いた。



「行くぞ、」


「あ、うん!」



お兄さんの話が頭から離れなかった。






でも

そのときはわからなかった…



龍斗がどんな思いで今を生きているかなんて。

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