嘘の誓いとLOVE RING


仕事の話は難しくて分からないけれど、敦貴にとってはテンションが上がる話なのだろう。

上機嫌な敦貴に、今度はこちらが質問をした。

「ねえ、佐倉さんの事。確かめたいんだけど…」

「ああ、そうだよな。美亜さえ良ければ、その情報を取ってきたヤツに会わせてやるよ。今度、会わせようか?」

「えっ!?本当?」

「本当だよ。また、この場所でいいだろ?直接聞いた方がいいもんな」

頷く私に、敦貴は微笑んだ。

これで、真実を知るいいチャンスだ。

それにしても、敦貴がここまで協力的とは意外だけれど、今までが考え過ぎだったのか。

思い出しても、敦貴が悪い人だったという記憶はない。

付き合っている頃も、その人間性を疑う事などなかったのだから。

久しぶりの再会で、少し神経質になっていたのかもしれない。

そう思うと安心した。

だからこの時、敦貴を何一つ疑っていなくて、むしろ素直に頼ろうとしていたのだった。

だけど、この3日後、ネットのニュースで私は、敦貴との夜を心底後悔したのだった。

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