嘘の誓いとLOVE RING
ネットで騒がれているホットなニュース。
それは、凌祐たちのライバル会社の新製品開発のニュースだった。
「こ、これって…」
パソコンから目が離せず、ニュースの文字を一文字ずつゆっくりと読む。
詳しい事は書かれていないけれど、―ネット環境の処理速度を上げる新製品の開発に成功した―という主旨の内容が書かれていた。
「このサイトって、敦貴が経営する会社のものよね?」
どうして、凌祐の会社がやっている事と同じ内容が書かれているのか?
偶然なのか、それとも…。
パソコンの前で固まっていると、背後から凌祐が覗き込んできた。
「やっぱり、動いたな。あいつ」
「凌祐?どういう事?」
動いたとは、どういう意味なのか。
すると、凌祐は険しい顔で、目をパソコンに向けたまま言ったのだった。
「水川敦貴。あいつ、前からずっと、うちの会社の機密情報を狙ってたんだよ」
「まさか…」
敦貴が?
じゃあ、あの夜私に凌祐の仕事の内容を聞いてきたのは、意図的に聞いてきたって事…?
信じられない。
敦貴が私を騙していた?
「凌祐!私…」
話さなければ。
私が喋ったせいで、会社の情報が漏れてしまった。
青ざめる私に、凌祐は優しい笑顔を浮かべたのだった。
「ごめんな美亜。ちょっと、いやだいぶ、お前を使わせてもらった」