究極的な愛の形


寂しげに語る顔は、どこか察していたのか。――認めたくないと考えないでいても、やはりは。


「君に嫌がられる僕なんか、死んでしまった方がいいからね」


愛しているからこそ、その人の嫌がることはしたくない。――けれども、彼のこの想いそのものが“嫌”となるならば。


「噛みきって」


最後の口づけを。

彼女が顔を上げる、触れる唇。彼の舌が、彼女の口腔に入り込む直前。


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