ちょーだい。



俺の言葉に不服気な顔をしてから鈴木たちは教室に戻ってった。





『....んと、教師とかめんどくせ........』




1人事の様に呟く俺。




そして元いた場所に戻った。





ガサッ!




後ろから物音がした。





俺は芝生に座っていて、後ろには綺麗に切りそろえられた椿の木。

んで、その裏には花壇があるはず。




俺はゆっくり立ち上がり、裏をのぞき込んだ。






そこには................





綺麗な焦げ茶色の髪、色白な肌............顔は見なくとも、可愛いんだってことはわかった。





こんな生徒、いたっけ??




その女はずっと花壇の花を見てた。




俺に気付かずに、ずっと。




< 64 / 72 >

この作品をシェア

pagetop