溺愛協奏曲
「あ?ふざけんじゃねえぞ、てめえが勝手に莉子のこと拉致しといて


なにが土下座だ、被害者はこっちだろうが」



蓮があたしの元を離れて龍斗さんの前に立つ



するとすかざず胸倉を掴んだ




「ふっ・・・少々手荒なことして莉子ちゃん拉致したのは素直にあやまるけど・・・


俺が昔受けた傷に比べりゃたいしたことないと思うんだけど・・・それに


自分の組員から報告受けてんだろ?俺たち二人がどこに居たのか・・・」




龍斗さんの言葉に反応し掴んでいた腕の力が緩んだような気がした




あたしに背中を向けているからこちら側からは表情まではわからない




わからないけど・・・蓮が動揺しているのがあたしには痛いほど伝わってきた




「ホテルの中で男と女が二人っきり・・・



それも・・・ラブホで、何してたかなんていまどき小学生でも分かるよな」




「なにが言いたい・・・あ?言ってみろ!」



蓮の大きな声が部屋中に響くと組員さんたちが大勢入ってきた



「若!」




「若!もう止めてください!」




大関組と東條組の組員さんたちが叫びだした



声のする方を見ると光君の姿も見える



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