溺愛協奏曲
「将来を誓い合う?」



蓮の眉間の皺はさらに深くなりたぶん今の蓮は不機嫌マックス最高潮



かたや慎ちゃんのほうはそんな蓮には臆することなくニッコリ微笑む



こんな状態の蓮に微笑むとはある意味強者でしかない



「そう、婚約者ってとこかな・・・莉子に逢いたくて空港からそのまま


来たんだけど早く来てよかったよ」




そう言ってあたしの頭を撫でる慎ちゃん



あたしの前に居る蓮の怒りのオーラが増してるって思うのはあたしだけ?




ってか、いつあたし慎ちゃんと婚約したの?



身に覚えがないんですけど・・・!




「慎ちゃん・・・・あたし・・・いつ慎ちゃんと婚約したっけ?」


隣に座る慎ちゃんに恐る恐る聞いてみる



あたしって結構抜けてるとこあるから忘れてるのかな・・・



「え?忘れたの?子供の頃約束しただろ、口癖のように言ってただろ

俺のお嫁さんになるって・・・・」




慎ちゃんの言葉に一瞬保健室の空気が微妙なものに変わる



え・・・・子供の頃・・・・・ですか?


「ぶっ・・・・そんな約束時効だろ、話になんねえ・・・ほらいくぞ

手当は終わったんだろ」



「あ・・・・うん」



あたしは蓮に手を引かれ里香さんにお礼を言うと保健室を足早に後にする



慎ちゃんともっと話をしていたかったけどクラスのことも気になったし



ひらひらと慎ちゃんに手を振りその場を去った



慎ちゃんが熱い眼差しであたし達を見つめていたなんてあたしは気付いてもいなかった









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