溺愛協奏曲
「ああ、この二人は思い合ってるってな・・・・男のほうはあの女に


惚れてるってすぐにわかったけど女のほうは好きなのに気付いてないだけって



感じで、俺のこと好きだだのなんだのって言ってたけど俺への思いよりも



あの男を見つめる瞳のほうが何倍も好きって言ってたんだよ・・・



あの男着ぐるみの熊の格好のまんま、片手に熊の頭持って保健室入って



きてよ~笑ったっつうか・・・よっぽど焦ってたんだろうな




女の方がなんでそんな格好して来るんだだの、馬鹿だの言ってたけど



真っ赤になって泣きそうな顔してて・・・それからは二人の世界っつうわけ



あとは宜しくって帰ってきた」





「蓮・・・・」





握りしめていた手をより強く握りしめる




あたしの目を見つめたまま蓮の口角が少し上がったのを見逃さなかった




するとにやりと笑ったかと思うと耳元でそっと囁くように話し出した



「ほら、なんでやきもち妬いたのか話して見ろ」




「や・・・やきもちだなんて・・・」




「正直に言ったら、お前んとこのクラス委員からもらったご褒美、莉子にプレゼント


しようと思ってたんだけど・・・・話してくれねえならこれは無しだな」




え・・・・ご褒美?



蓮は白い封筒をひらひらさせて悪戯っぽい笑みを浮かべてる



中から蓮が出したものは・・・・・郊外にある遊園地のロゴマークが描いてある券



赤い文字で一日優待券と大きく書いてあった















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