溺愛協奏曲
「まあ・・・過去の俺は褒められたもんじゃねえけど今は莉子だけだって


なんでわかんねえんだよ・・・莉子の気持ちも分かるけどこれからは



お前以外の女は触んねえから安心しろ」



「うん・・・・うん、ごめんね」




あたしは蓮に抱きしめられたまま頷いた



こんな自分を好きであたしをこんなにも思ってくれる蓮がいとおしくてたまらなかった




「ったく・・・・お前どんだけ俺のこと好きなんだよ・・・可愛すぎんだろ」





蓮の呟きが部屋に木霊してあたしは幸せに包まれていて・・・・



愛される幸せを噛みしめていた




だから気付かなかった



人知れず蓮が苦悩して悩んでいることも・・・・



あたしのことで眠れないくらい悩んでいたなんて気付きもしない



二人を引き裂くものなんて誰もいない



そんなことを思っていたあたしはまだまだ子供で・・・




蓮の苦しみを解ってあげられないこのころの自分がたまらなく嫌だ




だから蓮の消えそうなくらいの呟きも耳に入らなくて・・・



「蓮!なんか飲む?コーヒーでいい?」




「ああ・・・ブラックで頼む」





「了解!」




台所に消えたあたしの姿を蓮が眼で追った



蓮が苦しそうに呟いて泣きそうな顔をしていたなんて・・・・



「俺は、莉子のいない世界で生きていけんのか、俺が離れたら莉子は・・?」




痛いほどに拳を握りしめ空を見上げていたことなんてあたしは知らなかった














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