溺愛協奏曲
哲さんの登場に驚いていると後ろから息を切らして野球のユニフォーム姿の



背の高い男の子が哲さんの後ろに立って居た



この人は誰だろう?




もしかして哲さんの孫?




そんなことを考えていると野球帽をその場に放り投げた彼はつかつかと紗枝子さんの



所に行って目の前に立った




よほど急いできたのかまだ肩は上下していて話も出来ないようで・・・



坊主頭の彼は眼がくりっとしていてとても可愛い顔立ちをしている




ってか・・・・身長高いな180センチは軽く超えてるかも



こんな可愛い顔して野球少年なんて意外だな・・・・



なんて思うのはあたしの偏見なのか?




そう思いながら突然現れた見知らぬ野球少年をこの場にいる全員がただ黙って見つめていた





「紗枝子!婚約発表ってなんだ、お前俺の気持ち知っててなんでこんなことするんだよ


俺言ったよな?お前を甲子園に連れてくって・・・・プロになったら嫁さんになってくれる



っておまえ・・「いつの話よ?!それって子供の頃の話じゃない!第一、そんな途方も


ない約束あたしが信じて待ってるとでも思ってんの?あたしが好きなのは東條組



若頭の蓮で野球バカの貴志じゃないわ!あたしに釣り合う男は蓮であって野球しか



脳のない貴志じゃない・・・・幼馴染だからってこんなとこまでのこのこ来て



そんな格好で!恥ずかしいったら!」




紗枝子さんは真っ赤な顔で彼を怒鳴ると薄らと目には涙が浮かんでいた













































































< 383 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop