溺愛協奏曲
「莉子・・・・お前少し痩せたか?」




「へ?そうかな?あんまり変わらないような気がするけど・・・・」




「いや、絶対痩せたぞ・・・・ごめん、俺のせいだな」



蓮はあたしの髪を優しく撫でながら申し訳なさそうに呟く



その瞳はどこまでも優しくてあたしを包み込んでくれるよう




だからあたしは素直に自分の思いを蓮に伝えようと思った



それがなによりも大事なことに思えたから・・・



「正直に言うとね、とっても辛かった・・・突然連絡とれなくなって頭の中


パニックになって・・・悲しくて・・・なんでなんだろうって思ってすごく



辛くって・・・、だから・・・自分でもすごく驚いた、蓮のいない世界は



すごく寂しくて真っ暗で・・・・光がなくなったみたいだった」




「莉子・・・・」




蓮はあたしのおでこにそっと触れるようなキスをした



強く抱きしめたかと思うと耳元に顔を埋めるようにしてゆっくりと話し出した



「坊城グループに逆らったら何されるかわからねえ・・・・莉子を守らなきゃ


なんねえ、その一心であの女と婚約した・・・連絡を絶ったのはお前の声聞いたら



決心が鈍りそうだったからだ、ごめん莉子・・・謝ってすむことじゃねえかも


しれねえけど俺にはお前しかいねえ、こんな情けない男だけど俺はもう



お前を離してやることなんてできねえんだ」



そう言うと、抱きしめる力をより一層強くした




あたしは蓮の言葉が嬉しくてこぼれる涙をそっと拭った















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