溺愛協奏曲
「ありがとう・・・蓮も疲れてるのに送ってもらっちゃってごめんね」




「そんなの全然平気だ・・・それよりお前こそ大丈夫か?疲れたような顔してるから

今日は早く寝ろ!明日の朝また迎えに来るから支度して待ってろ」




「えっ・・・・蓮、学校来るの?」




「当たり前だろ!いつまでもさぼってっと留年しちまうし・・・出席日数が


やばいしな」




「そうなんだ・・・・じゃあ今日はほんとにありがと!じゃ、また明日!」



そう踵を返して玄関のドアに手を掛けようとすると蓮があたしの腕をぎゅっと掴んだ



咄嗟の出来事に驚いて目を見開く




な・・・・・なに?




蓮の瞳をじっと見つめるとニッコリ微笑む



「莉子・・・・忘れもんだ」




「忘れ物・・・?」



う~ん・・・そんなのあったかな?



しばらく考えあぐねているとなにやら唇に柔らかい感触



キスをされている・・・・と思った時にはすでに遅く・・・




チュッと言うリップ音と共に蓮は片手を上げて去って行った



「ごちそうさん!じゃあまた明日な」




真っ赤になる頬を押さえながらしばし玄関の前で立ち尽くす




わ・・・・忘れ物って!




忘れ物って・・・・キスってこと?



蓮の言動に呆れながらも苦笑いのあたし・・・




キスされた唇をそっと指でなぞる




ヘルメットをかぶり去っていく蓮の後姿を見えなくなるまで見送った
















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