溺愛協奏曲
ドスッ



すると、おもいっきりお腹に蹴りが入れられた



まるでそれが合図のように容赦ない蹴りが四人から浴びせられる



「顔はやめなさいよ、体だけにしときな!」



「あたしさっき引っ叩いちゃったけど~」



ケラケラと笑いながら長い髪をかきあげる取り巻きの女



なにげなく見上げるとその女と目が合った



「なによ!その目は!なんか文句でもあんの?」




胸倉を掴んだかと思うと思いっきりお腹をなぐられた




「うっ・・・・」




痛い・・痛い・・体中が痛い




反撃をしても後になって仕返しが倍になってくるからおとなしく殴られていよう




あ~あ~映画や小説の中ならこんな時助けてくれる人が現れるのに・・・・・





なんてことを思いながら彼女たちの攻撃が終わるのをひたすら待っていた




残念ながら私を助けてくれるひとは現れなかった



気が付くと先輩たちは制服の埃を払いながらあたしを取り囲んでいた




「今日のところはこの辺でやめとくけど今度拓巳になにかしたらあんたの
その綺麗な顔めちゃくちゃにしてやるから」



そう捨て台詞を吐くとあたしの元を去っていった







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