溺愛協奏曲
どれくらいそうして居ただろう




あまりにも体中が痛いのであたしはしばらくそこから動けずにいた




寝そべったまま空を見上げる




「なんであたしがこんな目に・・・・」




考えると悔しくて涙が出た



涙が出て止まらなかった





「ふ・・ふえっ・・し・・慎ちゃん~会いたいよー!」




大声で空に向かって叫んでみるけど慎ちゃんの声は聞こえない




けど・・・今無性に慎ちゃん、あなたに会いたいよ




なんか自分の弱さに又、泣けてきたよ




自分がこんなに泣き虫だったってことに驚きだけど泣いててもしょうがない




よろよろと立ちあがると制服は泥だらけ




口の中も鉄の味がする




さっき叩かれたとき切ったかな




鞄は教室に置いたままだけど携帯と財布は制服のポケットにあるし大丈夫だろう




今日お父さん早く帰るって言ってたっけ




ちょっと遠回りだけど途中の公園で休んでから帰ろう




こんな格好見られたら大変だ



お父さん心配するよね



結構カンが鋭いからな~うちのお父さん




「・・・・つ・・・・痛っ」



歩こうとすると体中が痛み出した



この時公園になんて寄らずにいつもの道を通っていたらあなたには会えなかったと



思うと出会いなんてわかんないもんだね


























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