溺愛協奏曲
「お父さんどうしてここに・・・?」



訳が分からず呆然と立ち尽くすあたしに組長さんの声が響く



「莉子ちゃん 蓮・・まあとりあえず二人とも座りなさい、哲也もそんなに


笑うことないだろ」



「悪い!、だって普段の莉子とは全く違う面が見れてなんだかおもしろいっつうか


おかしいっつうか」




まだ笑いが止まらないお父さんを横目になんだか恥ずかしさが込み上げてきた



だってきちんと挨拶しなきゃって思ったからあたしなりに精一杯



頑張ったつもりだけどお父さんてばそんなに笑うことないじゃん




真っ赤になって俯くあたしに、繋いでいた蓮の手がぎゅっと握られる



「さあ、もういいからそこ座れ」



「う・・うん」



座布団に座ると奥から黒スーツの組員さんの声


「しつれいしまっす、お茶お持ちしました」



「はいれ・・・」


緊張した面持ちでやってきた若い組員さんはちらりとあたしの方を見た



なにげなく目が合うと真っ赤になる彼



「・・・・・・?」



なんか顔赤いんですけど・・・・・



「ちっ・・」




隣からは蓮の舌打ちが聞こえるし・・・




「ど・・・どうぞ」




「あ・・ありがとうございます」




テーブルにはコーヒーとあたしの前にはオレンジジュースが置かれた



あたし子供だと思われてる?



「あいつ、照れてやがる・・くくくっ」




今度は組長さんが笑いころげてるし・・・

















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