秘蜜の秘め事

第9章

月曜日になった。

その日、きぃちゃんは休みだった。

火曜日になった。

その日も、きぃちゃんは休みだった。

水曜日になった。

わたしは、きぃちゃんが住んでいるマンションの前に立っていた。

記憶を頼りにここへきたけど…案外覚えているもんだな。

わたしは感心したと言うようにそんなことを思うと、笑った。

でもアポもなしで突然ここへきて…きぃちゃんに追い返されないだろうか?

「追い返されたって、きぃちゃんは友達だもん」

わたしは自分自身に言い聞かせるように呟くと、足を踏み入れた。

玄関の郵便ポストできぃちゃんの部屋を確認すると、わたしはそこへ向かった。

ドアの前に立つと、インターホンに向かって手を伸ばした。

ピーンポーン
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