秘蜜の秘め事
ビー子は言いにくそうに口を閉じた後、
「私も、まだ独身なの」
と、言った。

「何だ、人のこと言えないじゃないか」

そう言った僕に、
「でも、子供はいる」

ビー子がつけくわえるように答えた。

「はっ?」

僕は訳がわからなかった。

子供がいるんだったら、結婚してるってことじゃないか。

いや、子供がいて独身だったら、
「――バツイチ…?」

そう言った僕に、ビー子は違うと言うように首を横に振った。

僕は訳がわからなくなった。

子供がいるのに結婚していない。

でも、離婚経験がある訳でもない。

ビー子は悲しそうに目を伏せると、
「――不倫、だったの」
と、言った。
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