秘蜜の秘め事
古沢さんは黒のマグカップをデスクに置いた。

「その…僕みたいなおじさんでいいのかなって。

梨衣ちゃんはまだ若いから、他にもいい人がいるんじゃないかなって」

古沢さんは呟くように、わたしに言った。

その言葉にわたしはこんなことを考える。

16歳のわたしと32歳の古沢さん。

この年の差は、1回り以上もある。

でも、
「古沢さんがいいんです」

わたしは古沢さんに返した。

わたしが好きになったのは古沢さんだ。

年の差なんて最初から理解している。

全てを理解したうえで、古沢さんを好きになったんだから。

古沢さんは微笑むと、頬にキスをしてくれた。
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