【完・短編】~彼女は春を告げる~






塀に寄りかかって空を見上げる。






空が広くて、なんだか近く感じて。




ふいに、手を伸ばしてみる。











「…………………届くわけねぇじゃん」






力なく垂れ下がった手。



この言葉が雲に対してなのか


美琴に対してなのか





自分でも、よく分からない。










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