青い猫の花嫁

「あ、そうだ。立花アドレス教えて？」

「へ？」


学校指定のコートから携帯を取り出した松田君。
一気に現実に引き戻された気がして、口がポカンと開いてしまった。


あ、アドレス？あたしの？


「もしサワとなんかあったら、連絡頼むかも」

「あー……」


そういう事。

爽子って猪突猛進型っていうか、思い立ったら即行動って子だから、心配なのかも。
この前も、ケンカとかしちゃうと携帯電源切るって言ってたっけ。


「うん。いいよぉ」


思い出したら可笑しくて、クスクス笑いながら鞄の中に手を突っ込んだ。
えーっと、携帯携帯。


爽子と松田くん、ケンカしちゃうほど仲いいんだなぁ～。

なんて、ちょっとうらやましくなった。


ん？

うらやましい？


自分で自分の気持ちに首を傾げたその時だった。




いきなり、両肩を掴まれて、強い力で引き寄せられた。


……！！？