WITH
「絶対に、ダメなの?」
「うん。ダメ!!」
ダメもとで聞いた私に満面の笑みで答えた廉は、私を抱き寄せ
「もう、紗和に危険な目に合ってほしくないから……だから、俺に任せといて?」
耳元で囁き「ね……?」と言い聞かせるように念を押した。
廉が私を抱き締める腕の強さ……
廉の温もり……
廉の香り……
そのすべてが私を黙らせるには効果的なものだと、廉はわかってしているの?
「……わかった。でも、危ないことはしないでね?」
廉の存在を確かめるようにもう一度抱き締め返して、目を閉じて廉を身体中で感じていると「大丈夫だから……」と、優しく頭を撫でられた。