WITH
「だ、れ……?犯人、誰だったの……っ!?」
震える唇で言葉をどうにか紡いで至近距離の廉を見上げれば、困ったように見下ろす廉と目が合った。
「んー…、紗和には教えない」
有無を言わせないような真剣な瞳を向けてそう言った廉に、私は黙ってしまう。
「紗和は犯人が誰かわかったら、自分でケリつけようとして無茶しそうだから……だから、教えない」
大きく頷きながらそう言う廉は、私が今何を言ったとしても絶対に教えてくれないだろう。