WITH
「……姉貴さ、まだ廉先輩が好きなんだろ?」
律の優しい眼差しも、廉がそんな風に私を思っていたことも。
私を泣かせてしまうには十分すぎて、泣き顔を隠すように顔を膝に埋めたけれど漏れる嗚咽は、もう抑えきれなかった。
「す、き……
廉が、好き……っ」
7年振りに口に出した本音は、廉への思いを更に自覚させ……廉を恋しくさせて欲してしまう。
「もう1回、廉先輩に会ってみたら?」
嗚咽が治まり始めた頃、律に言われた一言にゆっくりと顔を上げて。
手の甲で涙を拭いながら、
「そんなの無理でしょ……」
薄く笑んで、呟くように答えた。
「そんなことな…「だって、廉には蜜華さんがいるじゃないっ!!」
律の言葉を遮った私は、笑うことさえ出来ていない。