WITH


胸がズキズキと痛んで……心は廉を求めているけれど。


廉には、蜜華さんがいるの―――



「……廉先輩が『会いたい』って言ってるとしたら?」



しばらくの沈黙のあとそう言われて、ただ呆然と律の顔を見つめていた。


廉が“私に会いたい”だなんて、わけがわからない……



「とりあえず!!
俺がセッティングするからさ……何も気にせず考えないで、ちゃんと逃げないで話してきてよ?
いつまでも、そんな姉貴見たくないし、さ……」



最後辺りはそっぽを向いて呟くように話す律に、私は自然と笑顔になり「ありがとう、律!!」と頭を乱暴に撫でた。



< 130 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop