WITH
二度目の訪問になる晴哉の家の玄関で、シン…とした静かな暗い室内に気付いた私は、先に家に上がった晴哉を見上げて首を傾げていた。
「……誰もいないの?」
「あー…、うん。親は、二人で旅行に出掛けてる」
「そう、なんだ……お邪魔します」
にっと笑った晴哉に気付かないフリをしながら靴を揃えて、晴哉の部屋へ足早に向かった。
「何コレ?すっごく可愛いんだけどっ!!」
「“コレ”って……、普通にオレなんだけど……」
晴哉の部屋へ来ると、本棚から見つけたアルバムを引っ張り出して見始めた私は、幼い頃の晴哉のあまりの可愛らしさに、少しだけ興奮してしまっていた。