WITH



「まぁ、今更……か?
とりあえず、紗和ちゃんが無事でよかった♪」



考えあぐねていると、横から晴哉に抱き締められて、心地良い温もりに包まれる。



「――話してくれて、嬉しかった……」


「ん……、聞いてくれてありがとう」



晴哉に話してよかった……


晴哉が大好きだから、知っておいてほしかった。


今の私があるのも晴哉に出会うきっかけになったのも、すべては過去の出来事があったからで……


ずっと晴哉と一緒にいたいから、隠し事なんかしたくなかったんだよ―――






「ねぇ、紗和ちゃん……今から、オレん家来ない?」



晴哉の腕に包まれたままの状態では、近すぎる距離のせいで表情は見えないけれど、静寂の中聞こえた声は真剣なもののように感じられた。



「えー…っと……」


「紗和ちゃんと、もっと一緒にいたいんだけど……ダメ?」



耳許で響く晴哉の切なげな声に私は頷いていて、「やった♪」と顔を綻ばせて喜ぶ晴哉を可愛いと思った。


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