WITH
チャペルの中は、白で一面塗られた壁が蝋燭の灯火で柔らかい印象を作り上げ、ステンドグラスは光を受けてキラキラと輝いている。
そんな温かい雰囲気の中、挙式が始まる……という時、ずっと姿を見せていなかった廉が現れ、当然とでも言うように私の隣に座った―――
無表情な廉を隣に、新郎新婦の入場、指輪の交換と着々と式が進んでいく。
珍しく緊張した面持ちの啓祐や、さっきまでの号泣が嘘のように満面の笑みを浮かべたなっちゃんを微笑ましく見つめながら、まったく隣が気にならない……と言ったら、嘘になってしまう。
廉のいる左側だけが敏感になってしまったかのように、そわそわと落ち着かなかった。